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ホーム > AutoCAD > 図形の作成 3
週刊CAD講座 AutoCADの基本

第8回 図形の作成 3

     
前回ポリラインをやりましたので、今回はスプラインを使って見ましょう。
スプラインがよく使われるのは自動車のボディを作成するときでしょうか。また、ポリ容器を作成するときなんかにも使われます。もっともこういったものを作成するときはスプラインよりもサーフェスで作成するほうが多いのではないかと思いますが、サーフェスは3次元を扱うところで解説します。
とにかく、ぐねぐねと曲がったものを作るのにスプラインを使います。

 

スプライン(SPL)

     
「作成」から「スプライン」またはウニョウニョ曲がったツールバー。ショートカット「SPL」

コマンドを実行すると
1 点目を指定 または [オブジェクト(O)]:
と表示されます。これは線分、ポリラインなどのコマンドと同じです。
適当な点をクリックすると
次の点を指定:
と聞いてこられるので、次々適当な点をクリックしてみてください。


終了するにはEnterキーを3回(またはマウスの右クリックでEnter)押します。

      線分コマンドとの違いは最後にEnterキーを3回押さなければならないことくらいでしょうか。じゃなんで、3回押して終了したのでしょうか?
最後の点を決めた後、
「開始接線方向を指定:」、「終了接線方向を指定:」と表示されたはずです。


どの点から始まっている、または終わっているのかを指示してくださいということです。実際に表示されている最初の点は、端点より先の表示されていない点があることを前提にえがかれます。スプラインはこれらの点と点を結んで曲線を作成します。

じゃ試しに図のようなスプラインを描きます。次にその「開始接線方向を指定:」、「終了接線方向を指定:」を図の真ん中あたりにしたものと、両端にしたものを描いてみてください。


「開始接線方向を指定:」、「終了接線方向を指定:」で点を指定するときはオブジェクトスナップを使わないで適当にクリックしてください。余談ですけど、autocad2000からオブジェクトスナップを使ってもツールチップとマーカーが出ないようになってしまいました。そのため正確な点を指定するには非常に不便です。バグのような気もするし。
図形を見比べてください。線分の違いがわかりますか?端のほうがふくらみをもったりしていませんか?スプラインではこのように重みをもたせた線分を作成することができます。

 

      スプラインのオプションにはフィット許容差を指定 <0.0000>というのがあります。これは各制御点からどれくらいの距離まであいだで曲線を描きますか?という許容差を指定します。数値が高いほど適当な個所で曲がっていきますので、正確に曲線を描きたい場合はゼロのままでいいと思います。制御点からどれくらいの距離で曲がってくれているのか確認してみてもいいでしょう。図では許容差「0」と「10」です。制御点と線分の位置が違っているのが分かると思います。

 

ここまでスプラインについて書きましたが、実際2Dでスプラインを使うとしたら、地形の等高線やチューブのようなものを適当に作成するくらいでしょうか?でも知らないと後でこまります。

 

リージョン(REG)

     
リージョンはこれまでautocadのLT版にはありませんでした。LT版では2000から搭載された機能です。autocadではソリッドという3次元の形状を作成することができます。ソリッドは中身の詰まった固形物をあらわしますので、その体積や表面積、重心などのデータももっています。リージョンはこのソリッドの面だけを表すためのものです。

 

線分やポリラインではある面の形をつくることは出来ますが、実際には線分の寄せ集めなので、中身がありません。そのため、線分で立体物を描いても陰線処理ができません。この図形は奥にあるので手前にあるものに隠れてほしいと思っても線分やポリラインでは隠すことができないので、立体物を作成する場合にリージョンを使って陰線処理をおこないます。
図では左からソリッド、リージョン、線分、線分に厚さを付けたものの順です。ソリッドとリージョンは見た目が同じになります。リージョンは6面それぞれ一つづつのリージョンを貼り付けています。
線分はワイヤフレームのように中身が透けて見えています。
線分に厚さつけた場合は、側面が陰線処理されていますが、上面にフタがない状態になっています。

 

試してみましょう

     
それぞれの立方体を作るのは面倒なので、簡単な例で試して見ましょう。
四角形を描いて、その上に二つ四角形を描きます。


3つとも長方形(RECTANG)コマンドで作成するとポリラインとして認識されます。
この中で一つだけリージョンにしてみます。
リージョンコマンドを選択して、左上の四角形を選択します。
そのままEnterキーを押すと
1 個のループが抽出されました.
1 個のリージョンが作成されました.
と表示され、リージョンが作成されます。

注意
リージョンは面データをもちますので、開いたポリライン(1,2本の線分や円弧)では作成できません。必ず閉じた形状(丸、四角、星型など)を作成してください。長方形(RECTANG)コマンドで作成した場合はその心配がありませんが、線分やポリラインコマンドを使った場合は注意してください。

陰線処理が出来るかどうか確認するため2つの四角を手前(平面図で自分の方、正面図や側面図で上側)に図形を移動します。
移動コマンドMOVEを使います。
キーボードから「M」と入力します。ツールバーでは矢印の十字をクリックします。
小さい二つの四角形を選択します。


次にキーボードから「0,0,10」と入力します。

目的点を指定 または <基点を移動距離として使用>:

と表示されますので何も入力せずにEnterキーを押します。
するとZ方向に「10」移動したことになります。
平面図では移動したことが分からないと思いますので一度視点を正面図か側面図にしてみます。2本の線分が描かれているようになっているとZ方向への移動が正常におこなわれていることになります。

 

陰線処理してみましょう。

     
陰線処理するコマンドは「HIDE」です。ショートカット「HI」。
キーボードから「HI」と入力します。
リージョンにした図形だけ下にある図形を隠してくれます。


注意
ズームや画面移動などの再作図(REGEN)をともなうコマンドを実行すると陰線処理は終了してしまいます。陰線処理はあくまでも印刷時に後ろの図形を隠したい場合に使うことになります。

印刷イメージで確認してみましょう。
メニューの「ファイル」から「印刷」を選択します。ショートカットは「PP」(LT版のみ)です。印刷のダイアログボックスが表示されますので「印刷設定」のタブを選択します。

右下にある「印刷オプション」グループの中にある「オブジェクトを陰線処理」にチェックをいれます。

左下にある「完全プレビュー」ボタンを押します。

先ほどの陰線処理コマンドと同じように図形が隠れた状態で表示されます。


試しに印刷してみたい場合は、マウスの右クリックをしてポップアップメニューから「印刷」を選択します。
そのまま終了する場合は、「終了」を選択します。

注意
印刷プレビューで図形が表示されなかった場合は左下にある「印刷領域」グループから「オブジェクト範囲」を選択して「完全プレビュー」してみてください。「オブジェクト範囲」は図面内に描かれている図形が全て表示されるように印刷領域を調整します。ですので表示範囲がずれてしまっている場合には、この機能で調整することができます。逆に見えないくらいの小さな点が図面の端(ずっと遠く)にあった場合はその点までも含んでしまうので図形が非常に小さく表示されてしまうこともあります。

 

次回は

     
今回もまた解説していないコマンドを使ってしまいました。でもこうやって使っていかないとなかなか進まないものです。autocadをお持ちの方は色々さわってみてください。

さて次回は図形の作成の最後に簡単な図面をつくって見ましょうか?何がいいでしょうか?