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ホーム > Mechanical Desktop > フィーチャーモデリング(1)
Mechanical Desktopではじめる3次元モデリング

第4回「フィーチャーモデリング(1)」

 モデリング作業の基礎となる、スケッチのプロファイル化・拘束条件の追加が終わると、「フィーチャー」と呼ばれる3Dオブジェクトを作成し、2Dスケッチを3D形状へと変化させます。(スケッチフィーチャー
 また、穴やフィレット、面の勾配などのフィーチャーが用意されており、3D形状にこれらのフィーチャーを追加してパーツを形づくっていきます。(配置フィーチャー)
 また、作成中のパーツに対してジオメトリを配置するために作成し、フィーチャーの位置をコントロールすることが出来ます。(作業フィーチャー)
 「パーツ」メニュー、「Parts Modeling」ツールバーにフィーチャー関連のコマンドがあります。

3Dモデリングの流れ

 
 では、パーツの作成に入っていきましょう。

 左のパーツを作成します。


まず、土台となる部分を作成します。
 作図領域にポリラインや線分・円弧コマンドなどで左のようなスケッチを作成し、プロファイル化します。
 拘束条件を追加します。

 ここでは、X値(X)、Y値(Y)、半径(R)の幾何拘束を用いて、寸法拘束の数を少なくしています。

 このスケッチが完全に拘束されると、「十分な拘束条件付きスケッチが完成しました」とコマンドラインに出てきます。

 ここまでは、前回までに解説した内容です。

     
 それでは、スケッチを押し出して厚みを加え、3D形状を作成します。
 作業がしやすいようにビュー方向を変えます。

 ここで選択しているのは
[表示]メニュー[3Dビュー]-[左正面等角図]、または
[Mechanical View]ツールバー[左正面等角図]
     
[パーツ]メニュー[スケッチフィーチャー]-押し出し
または[Part Modelin]ツールバー[押し出し]
を選択すると、ダイアログボックスが出てきます
     Z軸方向に30mm押し出します。数値を「距離」の所で指定します。
 押し出す方向は、スケッチ形状上に出ている青い矢印で指定します。
 自分の押し出したい方向と違っていたら「反転(F)」で再選択します。

 スケッチが押し出されました。
土台の部分が完成しました。
 シェーディングを付けてみましょう。
[Mechanical View]ツールバー[シェーディング/ワイヤーフレーム切り替え]をクリックします。
 またワイヤーフレーム表示に戻したいときはもう一度クリックします。
  スケッチ平面の定義
 次に、土台の上に円柱部分を作成します。
ここで、3D CAD固有の機能である「スケッチ平面」について説明します。
 ここまでは、作図領域上には何もない状態だったので、そのまま領域上の適当な位置でスケッチし、それをプロファイル化し、押し出しフィーチャーを追加することでモデルを作成しました。
 ここからは、作成したパーツに対して前述の作業を行っていきますので、パーツのどの部分に対して作業を加えていくかを指定しなければなりません。そうしなければ、3Dの作図領域上のランダムな場所にフィーチャーを追加していくことになってしまい、モデルに対して正確な位置でアクションを起こしているとは言えません。
 この「どの部分に対して」アクションを行うか、これをMDT5では「スケッチ平面」を指定することによって行います。
 身近な例で言うと、机の上に紙を出して、絵を描くことに例えるとします。机が作図領域、紙がスケッチ平面だとしましょう。どこ(=紙の上)に絵を描くかをきちんと把握していないと、机の上や空気中に絵を描いていることになってしまいます。
 それでは、作業を続けていきましょう。円柱部分を作成します。
 円柱は先程作成したパーツの平面から50mm押し出された形状になっています。
押し出しフィーチャーを作成する平面をここで指定しましょう。

[パーツ]メニュー[スケッチ平面の新規作成]
または[Part Modeling]ツールバー[新規スケッチ平面]
を選択します。
  コマンドラインで作業平面を選択するよう指示が出ます。
      コマンド: _amskpln
作業平面, 平面を選択 または [ワールドXY(X)/ワールドYZ(Y)/ワールドZX(Z)/UCS(U)]:
   
 
 パーツの上面を指定します。
選択した面がハイライトされますのでマウスの左ボタンをクリックして決定します。
   
   コマンドラインに以下のメッセージが出てきます。
オプションを入力 [次(N)/受け入れ(A)] <受け入れ(A)>:
   
 マウスカーソルの形が先程とは変わっています。
ここでは、先程指定した面でOKか確認を取っています。
違う場合は「N」をコマンドラインに入力するか、マウスの左ボタンをクリックしてみてください。他の面が指定されます。
 決定したら、「A」をコマンドラインに入力するかマウスの右ボタンをクリックします。
   
  平面=パラメトリック
X 軸を位置合わせするエッジを選択, または [Z 軸反転(Z)/回転(R)] <受け入れ(A)>:
  とコマンドラインに出ます。
   
     
 選択した平面上に青い矢印と平面が現れます。特に軸方向に変更がなければコマンドラインに「A」入力もしくはマウスで右ボタン選択、またはenterします。
 これでスケッチ平面が指定されました。

   
 
指定したスケッチ平面の上にUCSアイコンが載っています。
   

 円柱のプロファイルスケッチを作成します。
 作業がしやすいように、[Mechanical Viewツールバー]-[スケッチビュー
]を選択するとよいかと思います。指定したスケッチ平面の方向にビューが指定されます。
   
 
 スケッチ平面状に適当な大きさの円を書き、プロファイル化します。
 寸法拘束を追加し、円を完全に拘束させましょう。
   

 Z方向に円のプロファイルスケッチを50mm押し出します。
 押し出し方向が見やすくなるよう、ビュー方向を変えます。
 ここでのビュー方向:
[表示]メニュー[3Dビュー]-右正面等角図 または
[Mechanical View]ツールバー[右正面等角図]
   
 
 このように設定します。
  押し出し方向の矢印の向きを変えたい時は[反転(F)]をクリックします。
   

 押し出しフィーチャーが追加され、円柱形状が作成されました。
   
   他のビューからもここまでの仕上がり具合をチェックしてみましょう。

 [表示]メニュー[ビューポート]-3ビューポート、または[Mechanical View]ツールバー[3ビューポート]
を実行します。  

 ビューを元に戻す時は、上記メニュー・ツールバーの[1ビューポート]を選択します。

   
 モデリング作業を進めていくときに、[表示]メニューや[Mechanical View]ツールバー内のコマンドを使って、自分の作業のしやすいビュー方向からモデルを見たり、違ったビュー方向から形状を確認するなどに活用するとよいでしょう。
   
  配置フィーチャー
  では次にパーツに直径30mmの穴を開けます。
   
   [パーツ]メニュー[配置フィーチャー]-穴、または[Part Modeling]ツールバー[配置フィーチャー]-[穴]を選択すると、次のダイアログボックスが出ます。
   
     
   ここでは、先程作成した直径60mmの円柱と同心円となる貫通穴を開けるため、ダイアログボックスで以上のように指定しOKします。
   
 
   
     

穴を開ける起点となる平面を選択します。
ここでは[押し出し距離2]フィーチャの上面を選択しましょう。
       
     
     
開ける穴と同心円となるエッジを選択します。
       
     
穴が開きました。シェーディングに切り替えてみて確認しましょう。
       
     
 次に、土台に直径20mmの穴を開けます。

 まず、一つ目の穴を開けましょう。
穴を開ける平面は[押し出し距離1]フィーチャの上面です。
ダイアログ内の設定は以下のようにして下さい。
       
     
       
       あと3つ穴を開けます。
同じようにあと3回穴コマンドで穴を開けるのではなく、ここでは
[パーツ]メニュー[配置フィーチャー]―[矩形状パターン]、または[Part Modeling]ツールバー[矩形状パターン]を使用して、作成した穴フィーチャーを3箇所に配列複写します。 
       
      コマンドを選択します。
     
     

先ほど作成した穴フィーチャーを選択します。
       
       ダイアログが出てきます。ここでは[矩形状]タイプを選択します。
ここで、先程選択した配列の基準になるフィーチャーから列・行方向にいくつ、またどれくらいの間隔でフィーチャーを配列複写するかを決定します。
     
       
     
 この穴は土台の四隅のR20と同心円なので、列・行方向ともに配列の間隔は、100-(20+20)=60となります。
 配列個数を決定する「インスタンス」は配列の基準となるフィーチャーも含めた数になることに注意して下さい。
 ダイアログボックスで必要な数値を指定しOKします。
       
     

 穴フィーチャーが配列複写されました。
モデリングの終了です。
       

次回は

 

       今回はスケッチフィーチャー・配置フィーチャーの中から主なコマンドを紹介しながら簡単なパーツを作成していきましたが、3Dモデリングの大まかな手順や雰囲気はつかんでいただけましたでしょうか?

 MDTを初めて使ってみようとする時、残念ながらいきなり3Dモデルを作成できるのではなく、前回までに説明したスケッチの書き方や拘束条件のつけ方をまずは習得することが大切です。
 これから様々な種類のモデルを作成していく中でも最初のうちはこの2つに時間をとられることが多いと思いますが、この2つが理解・実践できれば3Dモデリングの基本は抑えたも同然だと言えます。

 次回は、作業フィーチャーやフィーチャーの編集などについて説明していきます。

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