Mechanical Desktopではじめる3次元モデリング |
第3回「プロファイルスケッチと拘束条件(2)」 |
前回は、プロファイルと拘束条件について概要を解説しました。今回はこれらについての便利な機能や補足事項について説明していきます。 |
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幾何拘束―投影 |
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投影の幾何拘束は、「Oスナップを使って選択された図形内の点が次に選択された図形の線上に配置される」ものですが、具体的な使い方を見ていきましょう。 左のスケッチを作成します。 |
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[設計]メニュー[線分]・[円弧]で大まかなスケッチを描き、プロファイル化します。そして上の図をもとに寸法を追加します。 |
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寸法を入力した状態です。ここでコマンドラインに「1
個の寸法値または拘束条件を必要とするスケッチが完成しました」と出ます。
まだ円弧3の中心位置が完全に拘束されていませんので、拘束条件を追加しましょう。 |
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前回紹介した拘束条件を使って下図のように拘束することが可能です。 | ||||
(方法1) 円弧3の中心と線分5=0で寸法拘束しました。新規寸法コマンドを実行し、円弧をクリックすると自動的に円弧の中心を寸法の基点としてくれます。 |
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(方法2) すでにY軸方向の高さが寸法拘束されている線分5と、円弧3の中心のY軸方向の高さが同じになる「Y方向」の幾何拘束を付加しました。 |
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これを「投影」を使って拘束すると・・・・ ※Oスナップ(CAD講座 AutoCADの基本第3回参照)はオンにしておいて下さい。 |
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[パーツ]メニュー[2D拘束]-[投影](2D Constraintsツールバー[投影])を選択します。 | ||||
ここでShiftキーを押しながら、作図領域で右クリックします。 | ||||
このようなメニューが出てきます。 円弧3の中心の位置を線分5に投影するので、ここでは[中心]を選びます。 |
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右クリックで[中心]を選択したら、円弧3の上にピックボックス()を近づけます。 円弧3の中心が黄色でハイライトされます。 円弧3をクリックします。 |
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コマンドラインに「投影先のオブジェクトを選択:」と出てきます。 ここで線分5をクリックします。 |
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コマンドラインに「十分な拘束条件付きスケッチが完成しました.」と出ました。また、線分5上に投影の拘束記号 "J" が付加されています。 |
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下書き線・下書き円 |
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下書き線・下書き円は、スケッチに拘束条件を与えるために使用されるオブジェクトで、通常のスケッチとは異なる線種で描かれます。3Dフィーチャー化されるプロファイルには含まれません。 これらによってスケッチに必要な拘束条件の数を大幅に減らすことができ、作業の手間を省くことが出来ます。 |
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<下書き線> | ||||
上記幾何拘束-投影のところで作成したスケッチを使用します。 円弧3の寸法拘束を削除します。 |
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円弧3の下方の位置に下書き線を描きます。 2D Sketchingツールバーの[下書き線]コマンドを選択し、左図の要領で下書き線を作成します。 |
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最初にプロファイル化していたスケッチに、下書き線を追加します。 [パーツ]メニュー[スケッチの解析]-[追加]コマンドを実行し、下書き線を選択しenterします。 コマンドラインに「2個の寸法値または拘束条件を必要とするスケッチが完成しました.」と出ます。 |
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下書き線をプロファイルに追加しスケッチの図形要素が増えたことで、線分に対応する番号が変わっています。 下書き線に寸法拘束を追加します。ここでは15mmとします。 次に、円弧と下書き線の間に接線拘束を付けます。 コマンドラインに「十分な拘束条件付きスケッチが完成しました.」と出ます。 |
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ここで、下書き線に付加した寸法拘束の数値を変えてみましょう。 円弧が下書き線に接するよう拘束をかけておいたので数値の変更とともに円弧の大きさも追従します。 |
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<下書き円> | ||||
直径50mmの円に外接する正三角形のスケッチを作成します。 まず、作図領域に任意の大きさで三角形を作成し、プロファイル化します。 「3 個の寸法値または拘束条件を必要とするスケッチが完成しました.」とコマンドラインに出てきます。 |
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2D Sketchingツールバーの[下書き円]を実行します。 三角形の内側に任意の大きさで円を作成します。 |
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プロファイル化した三角形スケッチに、下書き円を追加します。 [パーツ]メニュー[スケッチの解析]-[追加]または[2D Sketching]ツールバー[追加]コマンドを実行し、下書き円を選択します。 「6 個の寸法値または拘束条件を必要とするスケッチが完成しました.」とコマンドラインに出てきます。 |
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下書き円に三角形の3辺が接するよう、接線拘束を適用します。 次に、正三角形の内角60度で2箇所に寸法拘束します。 |
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最後に、下書き円の直径50mmの寸法拘束を追加します。 コマンドラインに「十分な拘束条件付きスケッチが完成しました.」と出ます。 |
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ここで、下書き円の寸法拘束、50の数値を変えてみましょう。 下書き円が三角形の3辺に接するよう拘束していたので、数値の変更とともに三角形の大きさも追従します。 |
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オープンプロファイル |
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MDT4以前では、スケッチは閉じたものでないとプロファイルとして認識されませんでしたが、MDT5からは「オープンプロファイル」として認識されるようになりました。 | ||||
作図領域に左図のように開いたスケッチを描き、プロファイル化します。 Desktopブラウザを見て下さい。「オープンプロファイル」として開いたプロファイルが認識されています。 |
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プロファイルとして認識されたら、寸法や幾何拘束を追加します。 拘束付けが終了したら、このプロファイルを利用して押し出し等のフィーチャーコマンドを実行し、パーツを作成していきます。 オープンプロファイルが使用される主なフィーチャーコマンドは押し出し、リブ、曲げ等です。フィーチャーコマンドについては次回以降説明していきたいと思います。 |
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次回は |
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次回はようやく、フィーチャーを使用しての3Dモデリング作業に入っていきます。 |
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