第27回　ペーパー空間

AutoCADを起動した後、作図領域の下にモデルとレイアウト1、2のタブを見ることが出来ます。モデルは普通に図面を作図するタブです。レイアウトは作図したモデルをより効果的に見せるための領域です。R14やLT98などではペーパー空間と呼ばれていたものです。2000版でもよくペーパー空間という風に使いますので、ここでもペーパー空間と呼ぶようにします。

先ず、適当な図面を開いてみてください。
次に、画面下にあるタブのうちから「レイアウト１」をクリックしてみてください。
R14やLT98などではステータスバーにあるモデルをダブルクリックしてください。

　
2000版とR14

ページ設定のダイアログが表示されます。変更は後でも行うことができますので、ここではOKを押します。

すると四角い枠の中にモデルが表示されていると思います。

図形は2000の付いていた電車のサンプルです。

そのままではモデル空間とあまり変わり映えがしないので、四角い枠を自分の好きなように変形、移動させてみてください。

四角い枠を小さくすると図形が切れてしまっているかもしれません。

その時には、ステータスバーにあるペーパーをクリックしてみてください。そうするとモデルに代わると思います。そして四角い枠が太く表示されていると思います。UCSアイコンにも注目しておいてください。

枠が太くなり、左下にあるUCSアイコンがモデル空間と同じ形になっているはず。

この時点でズーム（キーボードからはZリターン、Eリターン）すると全体が表示されると思います。

今の状態はビューポートが一つの状態になっていると思います。もう一つ追加してみましょう。メニューの「表示」から「ビューポート」の中にある。「１ビューポート」を選択します。

「ﾋﾞｭｰﾎﾟｰﾄの 1 点目を指定 または 
[表示(ON)/非表示(OF)/ﾌｨｯﾄ(F)/隠線印刷(H)/ﾛｯｸ(L)/呼び出し(R)/2/3/4] <ﾌｨｯﾄ>:
もう一方のｺｰﾅｰを指定: 」

と表示されますので、適当な点を指定します。もう一方の点を指定すると先ほどと同じように四角い枠の中にモデルが表示されていると思います。

ペーパー空間の基本的な使い方はこれだけです。
非常に簡単だと思いますが、もう少しこの機能を使って本物らしい図面を作ってみましょう。

先ほどペーパー空間にビューポートを作ってみました。

四角い枠の中にモデルが表示されるということが分かったと思います。
ここで少しペーパー空間っていうのは、どんなものなのかちょっと考えてみましょうか？

自分がはじめてペーパー空間を教わった時、

画用紙に穴をあけてモデルを覗いているようなものだ

と教わりました。その時はどっかのスクールだと思いますが、後ろから刺すような視線を感じてビクビクしながら講習を受けていたのであまりよく分かりませんでした。でもそのうち何回か使っていくようになってこの意味がわかってきました。

一つずつ整理していくと、
先ずAutoCADにはモデルを作るモデル空間というものがあります。
その他に図面化を行うためのペーパー空間があります。

モデル空間には実寸でモデルを一つ作成していきます。図形は２Dでも３Dでもかまいません。モデルを一つしか書かない（本当は何個書いてもいいのですが）ので、視点が一つしかありません。このままでは部分図や詳細図が抜けたままになってしまいます。

こういう時にペーパー空間を使うと新規に部分図や詳細図を書かなくてもよくなります。

ペーパー空間でモデルを表示するにはビューポートという枠を作成します。ペーパー空間ではこのビューポートを組み合わせて自分の好きな図面レイアウトをつくることができるのです。

まず、ステータスバーがペーパーになっていることを確認してから、先ほど作った二つのビューポートを自分の好みに応じて変形、移動させてみてください。（ステータスバーがペーバーになっていないと変形、移動ができません。）

その他、自分で図形を表示させたい場所にビューポートを作成してみてください。
ビューポート枠が作成し終わったところで、ステータスバーをモデルに切り替えます。

モデルの表示を自分の好きなようにズーム、移動します。
●ズームする時
（ズームする時はインテリマウスの真ん中のボタンを転がすとスムーズに出来ます。インテリマウスでない場合は、「表示」から「ズーム」の「リアルタイム」を選ぶとドラックしながらズームできるようになります。）

●移動する時
「表示」から「画面移動」「リアルタイム」で移動できます。ズームも移動もマウスの右クリックをするとポップアップメニューから選択することができると思います（2000版の場合）。

枠が邪魔な場合は枠の画層を非表示にします。
最後に印刷プレビューで確認しましょう。
どうでしょうか？適当に動かしてみて、こんな感じの図面にしてみました。

次回は

詳しくは又今度お話したいと思います。