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ホーム > Mechanical Desktop > 設計変数
Mechanical Desktopではじめる3次元モデリング

第12回「設計変数」

 前回は、寸法拘束に自動的に付加されている変数を利用してのパーツの寸法駆動の方法を紹介していきました。
 MDTでは、「d~」というこの変数に加え、任意の変数をユーザー自身で作成することができます。また作成した変数を利用して、excelとリンクさせてパーツ形状を寸法駆動することが可能です。

アクティブパーツに設計変数を新規作成




 前回に続いてこちらのモデルを使用します。
 正面図の寸法「40」を変数「A」、寸法「100」を「B」と設定し、これらの任意の変数を使ってexcel表でAとBの大きさのパターンをいくつか作成します。
 そしてパーツにexcel表をリンクさせることによって、パーツの形状を複数のパターンに簡単に変更することができます。
 では早速作業に入っていきましょう。
 [パーツ]メニュー[設計変数]
(または[2D Constraints]ツールバー[設計変数]・amvarsコマンド)を選択します。


 設計変数ダイアログが表示されます。
[アクティブパーツ]タブ上の[新規作成]をクリックします。
※「アクティブパーツ」「グローバル」タブについて
 第7章でも少し触れましたが、1つのファイル上にパーツが複数存在する場合、どのパーツに対して修正や追加などの作業を行うか指定する必要があります。
 「パーツ」メニューのパーツ―「パーツのアクティブ化」というコマンドでパーツをアクティブにすることができます。
 現時点では作図領域に一つのパーツしか存在していないので、このパーツがアクティブなパーツということになります。
 「グローバル」タブは、アセンブリなどでパーツが2つ以上存在するときに複数個のパーツに同じ変数を適用する時に用いられます。


 「パーツ変数作成」のダイアログが表示されます。
ここで、ユーザーが任意の変数を作成することができます。
 左のように入力し、OKします。

 変数「A」が作成されました。

 次に変数「B」を作成しましょう。
名前=B、計算式=100、コメント=本体の長さ、と入力しOKでダイアログを抜けます。

 変数「B」が作成されました。

「OK」で設計変数ダイアログを終了します。

新規作成した変数を寸法拘束に適用

 Desktopブラウザ上で、円筒部分を作成している回転フィーチャーを右クリックし、「スケッチ編集」を選択します。
 寸法の表示形式を「数式で寸法表示」にしましょう。
 寸法編集コマンドを選択し、「40」の寸法をクリックします。
 寸法値を先程作成した変数「A」に変更します。
コマンドラインにAと入力しenterします。
同様に、「100」の寸法を「B」に変更しましょう。


寸法が変更されました。
 ではここでもう一度「設計変数」コマンドを選択します。

 「計算式」の欄をダブルクリックし、値「40」を変更します。「20」と入力しOKします。

 形状が変更されました。
変数「A」の箇所の長さが短くなっています。
同様に、変数「B」の値を100から50に変えてみましょう。

 形状が変更されました。Bの箇所の長さが短くなっています。

 ここでいったん、それぞれの変数にあたる計算式の数値を「40」「100」に戻しておいて下さい。

excel表の作成



 「設計変数」コマンドを選択し、「テーブル駆動」内の「設定」をクリックします。
 「テーブル駆動設定」ダイアログで、パーツにリンクさせるexcel表を作成したり、事前に作成しておいたexcel表をリンクさせるよう設定することができます。
また、excel表のレイアウトや形式について定義することができます。
 今回は表の縦軸に「バージョン名」、横軸に「変数名」が入る表を作成していきますので「バージョン名」は縦、「タイプ」は変数のラジオボタンをチェックし、ダイアログ右上方にある「作成」をクリックします。


 「テーブルの作成」ダイアログで、excelファイル名や保存場所を指定し、「保存」をクリックします。ここでは「cylinder.xls」という名前にしておきましょう。


 excel表が作成されます。

 今回は3パターンのパーツサイズを作成しましょう。
パターン番号を列Aに入力します。
そしてパターン2・3の時のA,Bの値を入力します。

excel表とのリンク


 ここでDesktopブラウザを見て下さい。
 パーツに先程作成したexcel表がリンクされていますが、パターン番号を1~3に変更する前の状態のままなので、表を更新する必要があります。

 「テーブル」を右クリックして「更新」を選択します。

 テーブルが更新されました。
 この1~3のテーブルアイコンをクリックするとそれぞれ変数A,Bの値が変化し、下図のようにパーツの形状を変更することが出来ます。
 ※ Desktopブラウザ上からではなく、excelファイルを保存していた場所から直接立ち上げて内容を修正した後、リンク先のMDTのファイルを開くと、Desktopブラウザ上のテーブルが赤くエラーになっていることがあります。
 この場合もテーブルアイコンを右クリックして更新し、変更内容を反映させましょう。

グローバル設計変数を作成

 先ほど作成したパーツの名前を「CYLINDER」に変更します。パーツ名の後ろの(1)はexcelの内容を反映しているため、パーツの名前を変更しても追従します。


 作図領域上に、新規パーツを「NUT」という名前で作成します。直径30の円に内接する六角形に直径20の中心穴の外形線を描き、10mm押し出します。

 「設計変数」コマンドを実行します。設計変数ダイアログボックスの「グローバル」タブを選択し、「新規作成」をクリックします。

 「パーツ変数作成」ダイアログが表示されたら、左のように入力し、OKでダイアログを終了します。
 アセンブリメニュー「3D拘束」-「挿入」で、左図のようにシリンダの先端とナットの面の間の距離がグローバル変数「C」になるよう拘束します。


 拘束が終了したらDesktopブラウザ上の「挿入」アイコンを右クリックし「編集」を選択します。
 
 先ほど設定したグローバル変数「C」が反映されていることを確認して下さい。

 OKして3D拘束編集ダイアログを終了します。
 
ここで、excelを起動します。
 
 左図の表を作成し、名前を付けて任意の場所に保存します。「nut.xls」という名前にしておきましょう。
再びMDT上の作業に戻ります。

 「設計変数」コマンドを実行し、「グローバル」タブを選択します。
 「テーブル駆動」領域内の「設定」を選択します。
     

 「テーブル駆動設定」ダイアログが表示されます。
 「リンク」を選択します。
     
 「テーブルのリンク」ダイアログが表示されます。
 先程作成した「nut.xls」を選択して「開く」をクリックします。
 
 続いて「テーブル駆動設定」「設計変数」ダイアログをそれぞれOKを押して終了します。


 Desktopブラウザを見て下さい。「グローバルテーブル」としてexcel表がリンクされました。
     
 では、グローバルテーブルの動きを確認してみましょう。CYLINDERのテーブル値は「2」にしておきます。「グローバルテーブル」の下のexcel表アイコンをそれぞれクリックしてみましょう。
CYLINDERの先端からのNUTの位置がexcel表の値に追従して変化しています。
       

次回は

 

       今回紹介した設計変数のコマンドは、業務などで形は同じだけれどもサイズが違うパーツを数個作成しなければならない時などに便利なコマンドです。パーツを何個も作成する手間を省くことが出来ます。


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